京うちわ(源氏物語)

54人の作家の手によって日本刺繍で作られた源氏物語全五四帖。その作品を立体的に写し取って、布地に転写したもので、独自の立体感が残された仕上がりになっています。

京うちわ(江戸型彫)

江戸期、明治期に着物用に使われてきた古典の型紙「江戸型彫」から柄を選んで、和紙に染めてからうちわに仕立てたものです。ススキや菖蒲などの柄から、鳥獣戯画の弓うさぎのようなものまで、幅広い絵柄があります。

京うちわ(切絵)

レーザー光を使いデータ通りに布を切断して、うちわに貼り付けた切絵。和紙に貼り付けたものと、骨の両側に切絵を貼り付ける「両面切絵」があり、飾ることで視覚的に涼を届けてくれます。

京うちわ(金地琳派)

1615年の誕生から400年を経過した「琳派400年」を記念して、2015年に作成。和紙に金箔を貼った上に、作家がひとつひとつ手書きで絵を描いた一点ものです。「雪に白梅」、「桜に小禽」などの伝統的な絵柄が描かれています。

京うちわ(絹絵)

絹をうちわに張り、その上に直接顔料で描いている手書きの一点もの。青龍・白龍、鳳凰などの伝統的な絵柄が選ばれています。作者は美術修復なども行う作家で、伝統的な絵柄を基本にしながら、モダンな雰囲気に仕上げています。

京うちわ(古代型)

深草うちわの形が定まる前にもさまざまな形がありました。史料などを参考に作られた、江戸初期以前のハート形のうちわを復刻したものです。柄の部分が重なる面に貼られた紙(装束)も昔の形を模しています。

京うちわ(伊藤若冲)

2016年に行われた東京都美術館「生誕300年記念 若冲展」の際に作られた、代表作の「動植綵絵」の6種類の絵柄をうちわにしたものです。綿密な実物の写生に基づいた色鮮やかな動物、植物の姿が活写されています。

京うちわ(神坂雪佳)

明治14年、四条派の日本画家に弟子入りをすることで絵師となり、京都に琳派の復興をもたらしたといわれる、近現代の日本画家・神坂雪佳の「十二ヶ月草花図」をうちわにしたものです。琳派の特徴ともいわれる大胆なデフォルメとクローズアップによる構成が生かされています。

京うちわ(生地)

弘治元年(1555年)創業の京都の友禅生地の老舗、千總が所有していた、本絹の着物生地を譲ってもらい、そのまま、京うちわに貼り付けたものです。鮮やかな色使いの、正絹の布の柄が目にとびこんで来ます。

京うちわ(浜田泰介)

京都の大覚寺、醍醐寺、東寺観智院などの障壁画で有名な、日本画家・浜田泰介の絵を布に転写したものです。ダイナミックな大きさを感じる絵柄から、写実的な作品までが楽しめます。

京うちわ(伊藤昌)

水墨画の作家、伊藤昌の筆を使った一点ものの絵を貼ってうちわに仕立てたものです。墨の濃淡を利用した水墨画から、椿や向日葵のような、カラフルなものまで、墨のみじみや温かみを生かした作品です。

京うちわ(笠青峰)

桜、富士などの題材を得意とする日本画家・笠青峰の作品を、複数枚のうちわに連続した形で転写したものです。深山に煙るように咲く、満開の桜花を楽しむことができます。

京うちわ 上古の色を映す(吉岡幸雄)

平安時代、公家たちの装いは、季節の移ろいを精妙な色、柄の取り合わせに映することに、驚くほどの成熟をみせました。「源氏物語」に記された艶麗な装束、さらに遡った正倉院に残る染織品の再現などを、古そのままの植物染によって手がけてきたのが「染司よしおか」五代目の吉岡幸雄です。吉岡の染めによって上古の色を和紙に宿し、団扇の表裏をあたかも襲色目のように彩りました。